こんにちは就労移行支援事業所TODAYのスタッフです。TODAYでは月に1度病院のドクターや看護師さんOTさんや他の医療機関・他の支援機関の方を読んで、勉強会を行っています。今回の内容はトラウマ・インフォームドケアについて学びました。
トラウマ・インフォームドケア (Trauma-Informed Care, TIC) は、トラウマを経験した人々への支援を行う際に、そのトラウマの影響を十分に理解し、それを考慮に入れた方法で対応するアプローチです。このケアの中心的な考え方は、トラウマが人々の感情、行動、人間関係、そして生活全般に大きな影響を与える可能性があることを認識し、支援者がその影響を最小限にしつつ、安全で回復を促進する環境を提供することにあります。
トラウマ・インフォームドケアの基本原則
- 安全性 (Safety)
支援を受ける人が身体的・感情的に安全だと感じられる環境を提供します。 - 信頼と透明性 (Trustworthiness and Transparency)
支援者が信頼できる存在であり、意思決定の過程が透明であることを示します。 - 選択とコントロール (Choice)
支援を受ける人に選択肢を提供し、彼らの意思を尊重することで自己コントロール感を高めます。 - 協力と相互関係 (Collaboration and Mutuality)
支援者と支援を受ける人が対等なパートナーシップを築きます。 - 力を引き出す (Empowerment)
支援を受ける人の強みや回復力を認識し、それを活用して前進することを支援します。 - 文化的、歴史的、ジェンダーの考慮 (Cultural, Historical, and Gender Issues)
個々の背景や文化的な文脈を尊重します。
トラウマ・インフォームドケアが重要な理由
トラウマを経験した人々は、不安や恐怖、過剰な警戒心、自己否定感、または他者への不信感を抱きやすいです。これらの感情が、支援を受ける際の障壁になることがあります。トラウマ・インフォームドケアは、そうした障壁を取り除き、支援を受ける人が安心して回復のプロセスを進められるようサポートします。
実践方法
- トラウマの兆候を認識する
クライアントの言動や身体的な反応から、トラウマの影響を見極めるスキルを磨きます。 - 非ジャッジメントな姿勢
クライアントの行動や感情に対して批判的にならず、背景にあるトラウマを理解することを重視します。 - トラウマ再現を防ぐ
支援者の言動や環境が、過去のトラウマ体験を思い出させる「トリガー」とならないように注意します。
日本での実践状況
日本でも、医療や福祉、教育、心理支援の分野でトラウマ・インフォームドケアの導入が進んでいます。特に災害や虐待、いじめなどの経験者に対する支援において、このアプローチが活用されています。例えば、児童養護施設や精神科医療、スクールカウンセリングでの応用が増えています。
トラウマ・インフォームドケアは専門家だけでなく、日常生活でも役立つアプローチです。相手の感情や行動の背景を理解しようとする姿勢が、より良いコミュニケーションと人間関係を築く鍵になります。
とても難しい内容でしたが、専門の先生方にレクチャーを受けながら、医療的観点や福祉的観点の中から今後どのように支援をしていくかを3時間に渡り、勉強をして来ました。皆様の心が少しでも軽くなり再発防止が出来るように私たちも日々努力をして行きます。宜しくお願い致します。荒関