今回は、認知機能リハビリテーション「VCAT-J」のお話です。
TODAYでは、仕事に必要な脳の働きを維持したり、向上させたりするために、ゲームと
話し合いを組み合わせたVCAT-Jというリハビリテーションを行っております。
本日は話し合いの日(言語セッションと呼んでいます)でした。ゲームを通して関連する
ことを毎回話し合って聞きます。
ゲームは全24回のうち、22回目と終盤になってきました。内容は、必要な情報に注意を
向けて集中し、それを維持したりする働きを使うゲームや、見通しを立てて仕事を進める
働きがあるゲームや、物事を覚えて、思い出したりする働きを使う機能など40種類を超
えるゲームを行っていく構成になっています。
22回目ともなると、皆さん各認知機能がどのような働きをするのかを認識していただい
ているように思います。
それぞれの認知機能がゲームでどのような操作やプロセスを表しているのかももちろん、
自分にとって得意な機能は何か、苦手な機能は何かをこれまでも話し合ってきました。皆
様これらについてもしっかり把握されてきていらっしゃるようです。
ご参加者様の中では、注意機能に関するゲーム(必要な個所に注目をしてゲームを進める
)が得意な方が多く、言語性記憶に関するゲーム(物事を覚えて、それを頭の中でとどめ
ておく)や遂行機能に関するゲーム(見通しを立ててから実行する、優先順位を考える)
がやや苦手な方が多いようです。
こうしたことをご自身で認識して頂いてきたところですので、本日は、話し合いの中でど
のように苦手なことに対応していけばよいかを考えてみました。「時間内にゲームを終わ
らせ、記録シートの記入も終わらせる」というのが毎回ゲームを行うときの課題ですが、
終わらせるために、あるいはできるだけ効率よく行うために、どのように優先順位をたて
れば良いかを話し合いました。
話し合いの中で、主に3パターンの優先順位をたてる方法が上がりました。
①注意機能を使って(簡単にできるゲームを上から並んでいる課題ゲームの中から選び、
先に行なう)
②自分にとって簡単と思うゲームと難しいと思うゲームを交互に行う。
③先に全体的に見て簡単なゲームを先に行ない、難しいものに進んでいく(あらかじめ順
番を決めておく)
ご自分で選ばれた工夫をその後のゲームで行っていただきましたが、それに馴染んだ方も
あれば、他の方の意見の方を採用した方が良かったかもしれないと振り替えられる方もい
らっしゃいました。
ご自分に馴染んで、時間通りに結果を出せた方にとっては、それが「優先順位を立ててて
時間内に作業を終わらせる」ことに成功した体験にもつながります。
このようにして、ご自分が仕事を行う際に、得意・苦手を知り、対応方法を考えておくと
、仕事がよりされやすくなると考えておりますので、引き続き皆さんと共に取り組んで参
りたいと思います。