本日はVCAT-Jについてのお話です。VCAT-Jのゲームでは、様々なゲームが「記憶に関して」
「注意を向けたり維持することに関して」などの脳の基本的な働きごとに分類されています。
例えば、「注意」というゲームに分類されるものとして、「ピックアップ」という名前のゲーム
があります。
バケツのキャラクターが示しているバケツの色と花の形を選んで、ベルトコンベアから流れてく
る様々な形の花をピックアップしてそのバケツに入れるという内容です。
このゲームで「注意」に関連する脳の働きとしては、「バケツのキャラクターが示している花の
形を見分けることに注意を向ける」というものがあると思います。その他には、「ベルトコンベ
アから流れてくる花の中から見逃さずに適切な花をピックアップすることに注意を向ける」など
があります。
何回かゲームを行っていると、この「ピックアップ」のゲームは単に注意に関する機能を鍛えて
いるわけではないことに気づいてきます。
今回の言語セッションでは、このようにゲームで分類されている脳の働き以外にどのような働き
を鍛えているかを話し合いました。
そして、そのあとに、ゲームで鍛えていることが、TODAYの取り組みや将来の就職のどのような
こととあてはまりそうかを考えていきました。
先ほどの「ピックアップ」では、注意を向けて、それを制限時間まで維持しておくなどの他に、
どのような機能を鍛えているかについて皆さんからご意見を伺いました。ちなみに、こちらから
の問いかけについて考えていただいている間に、脳では「ピックアップ」のゲームについて思い
出したり、頭に画面をイメージしてみたりといったという記憶の機能を使っていることになり
ますので、この考える時間も大切なトレーニングになります。
さて、皆さんからのご意見ですが、ベルトコンベアの速度についていくスピード力を鍛えている
こと(処理速度)や花の形を判別できるよう記憶をしておく(作業記憶)が必要とされていると
いうことが挙がりました。こうしたスピードについて考えたり、記憶をしてそれを思い出したり
する働きは、仕事で言うと「時間内に仕事を終わらせる(切り上げる)ことを鍛えることにもつ
ながります。
記憶は業務内容について読んだマニュアルを覚えておくことや、言われたことを覚えておくなど
のトレーニングに活かすこともできます。そしてこれらがうまく身に付けば、仕事での強みにな
るのではないでしょうか。ゲームを攻略しようと集中するプロセスの中で、実はたくさんの脳の
働きを鍛えていたり、作業の特徴が見えてきたりします。これらについて話し合い、ぜひ皆さん
の仕事の強みになることを見つけて頂きたいと思います。