本日のSSTでは、会社では必要となる「報告・連絡・相談」にも関わる、「業務で分から
ないことを質問する」、「分からないことについて助けを求める」スキルを練習しました
任される仕事の内容を受けて「お願いします」「はい」というやり取りだけでは終わらな
い事も多いことを、皆さんも体験されているのではないでしょうか。
SSTでいう「受信機能」のように、相手の話に注意を向けて内容を聞き取ることはもちろ
ん重要ですが、話の内容に注意を向けていても不明な点が出てきたり、自分の考える範囲
では理解できていないことがあったり、相手が話している内容と自分の理解している内容
が一致しているかあいまいなことがあったりすると思います。
本日は、その中でも、お願いされた仕事について途中で不明な点が出てきた場合に「質問
をする」「相手に助けを求める」という練習でした。
TODAY吉祥寺のご利用者様の中には、「言われたことは自分で何とかして解決しなけれ
ばならないので、自分でできるまで粘りたいために質問をしない」という方が多くいらっ
しゃいます。
意欲的に取り組んでいらっしゃる点では良いのですが、職員からすると想定している時間
内に終わらせて頂きたいので、手が止まっていたり、粘り強く取り組んで頂く傍ら集中力
が切れてしまったりしているご様子を拝見していると、思わず「大丈夫ですか?進んでい
らっしゃいますか?」と声をかけたくなってしまいます。
そのようにして職員がお声がけをさせて頂いて初めて「実は~~はどうすればよいのです
か?」という質問が出ることも少なくありません。「できない」ということを素直に認め
、他者に質問をし、助言を求めることは勇気がいるというお考えは分からなくはありませ
ん。
ですが、会社では1人の担当者が大勢をサポートされていることも多くありますし、作業
の終わりの期限が設けられていることなどから、1人でいつまでも粘られると逆に困って
しまう状況もあります。そのため、分からないことがあれば、自分でも質問をしたり、助
言を求めるスキルが必要となります。
本日は普段からできることが多く、ご自分の「できないこと」を発信されるのが苦手な方
に助けを求めるスキルを練習して頂きました。
その方は、「何を言うか少し考える時間をください。」と仰り、最初の練習で次のように
伝えられました。
「今○○について行っていて、ホームページを見ています。●●をしようとしているのです
が、~中略~どこをどのようにすればよいかについてやり方が分かりません。」(〇、●
の部分は本当にその方が今取り組まれている課題について具体的に説明されています)
少しいつもより苦しそうで緊張した面持ちで、~中略~のところで少し長めに頑張ってご
自分の状況と、困っている内容を具体的に説明されていました。そして最後にやっと辛そ
うに「分からない」という言葉を出されました。
その後皆さんから出た「分からない事は悪いことではないので緊張しすぎなくてもよいと
思う」、「もう少しシンプルに伝えられるとよいと思う」というアイディアを取り入れら
れ、最終的に、「今○○について行っていて、ホームページを見ています。●●をするやり
方に行き詰っているので相談に来ました。PCの所に一緒に来てみて頂けませんか?」と
シンプルにまとめられて助言を求める言葉を伝えられました。
この方にとって皆さんから出た「分からないことは悪いことではない」というご意見がと
ても参考になられたようです。
グループの力を借りて、「初めて行う業務では分からないことが出てくることはあり得る
ことで、恥ずかしいことでも悪いことでもない」というお考えが導きだされました。
練習された方にとっても、周りで協力されていた参加者の皆さんにとっても、こちらの考
えを頭に置いていただき、普段のTODAYのプログラムの中でも、特に初めて行うことに
ついて「質問をする」のを意識して頂けるとよいと思います。
皆様には早速すぐ後に行われる初めての模擬作業で質問することや助言を求めるスキルを
使って頂くよう宿題を出しました。
SSTでは1回ですぐにできることもあれば、そうでないこともあります。特にもとから抵
抗があるスキルについては何度も練習を行って頂き、段々に習慣的に行って頂けるよう今
後も同じようなスキルの練習を何度か行っていきたいと思います。