SSTでは、起こった出来事に対して、ある人がどのようにその出来事(情報を)
「受信」、「処理」、「送信」しているかを考えながら練習をしていきます。
「受信」とは、話しかけられていることに気付けるかや、話しかけられたことに注意を
向けられるかや、話の内容を聞けているかなどのことを指します。
「処理」とは、見聞きしたな内容を自分に必要そうかそうでなさそうか判断したり、
急を要するかそうでないかを判断したり、ある状況では誰に話しかけたらよいのかを
選択したりするようなことを指します。
「送信」とは、上記のようなプロセスを経て人がどのように行動をしているか、発言をし
ているかを指しています。
本日は皆さんの「処理」について考えて行きました。
練習課題の場面は「昼休憩に真剣な話し合いをしている職員に、早退をしたいと伝える」
という設定です。
皆さんだったらどうするか、をそれぞれお伺いした所、
「話し終わるのを待つ」
「話がいつまで続くか分からないので他の人を探す」
「体調が悪くて早退したいので、人のことはお構いなしで自分の話しをする」
「筆談でメモを渡す」
など、様々な「送信」のしかたについてご意見がありました。
今回のご意見の中では、「処理」の時点で、「相手が何をしているのかを認識して話をす
る」というご認識の方が少ないようでした。
この場面での「処理」とは、①昼休みである事を認識する(状況の把握) ②職員が真剣
で込み入った話をしている事を認識する(人の表情や声からの読み取り)③だれを選んで
話をするのか判断する(対象の選択)などがどのように行われているかということになり
ます。
このように、それぞれの「この時あなたはどうする?」を見ていくとその人の特徴がとら
えやすくなります。
本日は多くの方の処理に上記を認識せずに、
職員がいる➡聞いてもらおう という認識をされている方が多かったように思います。
そこで状況について少し考えて、どのように伝えるのが良いかを練習して頂きました。
「休憩中、すみません。急に調子が悪くなり、午後からは早退させて頂きたいのですが
、、、」
あるご参加者様の最初の練習です。
休憩中であることを考えてクッション言葉を入れていたところ、職員の会話の隙間を考え
てタイミングをみて言葉を発言されていたところ、早退させて欲しいという要望が申し訳
なさそうに、かつ明確に伝わっていたところが良い点でした。
残念ながら急な早退の場合、職員も「大変ですね、分かりました」という返事は直ぐに出
来かねるのですが、普段利用者様の中には、相手の状況をすっ飛ばして話を始められる方
がいらっしゃいます。特性上のこともあると思いますが、今後会社でより良い人間関係を
築いていただくためにも、今日は、相手が何をしているかをまず認識してから話を始める
練習を行いました。