本日のSSTでは、「相手に要望を伝える」 という練習課題を行いました。
セッションの流れをお伝えさせて頂く前に、 SSTでよくある誤解についてお話させて頂こうと思います。
今回の練習課題は、利用者様から挙げられたものですが、
「相手に要望を伝える」というのは、苦手な方も多いようです。
そういう方のお話を伺ってみると、理由としては、「 わがままを言っているのではない
か」、「本当は自分で行わなければ行けないのに、気が引けてしまう」 などの考えが湧い
てくるからということがあるようです。
このように、練習課題ができそうかどうかは、 お一人お一人異なります。
SSTでは、「 上がった課題は自分にロールプレイ練習の回がなくても、 できるようにならなければならない。」「 このようにしなくてはいけない」と認識されることがあります。
今日は「先日要望を伝えたかったけれど、伝え方がうまくいかず、 誤解されてしまった」というご経験を踏まえて、 表現の仕方の練習に挑戦されたいと手を挙げられています。
ですので、前述のように、「 自分は要望を伝えるとわがままだと思われるのではないかと考える とストレスです」という方には、同じ練習を行いません。 別の機会までに、「わがままだと思われるかもしれない」 と考えている認知の方にアプローチをしていき、 ご本人様の準備ができるのを待ってから練習を行います。
このように、行動の練習をすることで、 その結果ストレスになるのではなく、こんな結果になれば良いな、 という理想の結果になるように行動を練習していくことが大切です 。
ご自分にとっては発信することが逆にストレスになる、 という事柄を練習するのは苦しいですよね。
さて、本題に戻ります。本日の練習者Bさんが
要望を上手く伝えられなかった時について振り返ります。
TODAYから、外部実習に行かれた後、 再びTODAYの通所に戻られた時のことです。
本当は、「実習のために体力的に疲れているため、 プログラムを休みたい」とお伝えされたかったところ、「 実習の間にできなかった記録シートを書きたいので、 プログラムを休んで書いてもいいですか?」 とお伝えされてしまい、職員から、「 記録シートはいつも設けている自習時間でお書き頂き、 プログラムは参加されてははいかがですか?」 と言われてしまいました。 結局プログラムに参加しなければならならず、体の疲れも取れず、 という結果です。
先の就労のことを考えると、 実習のペースからTODAYのペースに変化があったとしても、 自己管理の面でプログラムを休むのは良くないのでは、 という考えもあるかもしれませんが、 今回は初めての実習だったのと、 短時間の休養の後回復される可能性が高いという背景もあり、 要望をお受けさせて頂く結果になるように、 という目的で行動を考えてみます。
この際相手に要望を伝えるステップは3つです。
①相手の顔を見ながら、落ち着いて話す。
②「申し訳ないのですが、、」などのクッション言葉を入れる。
③伝えたい要望を明確に、手短かに伝える。
この3つを抑えて頂くだけでも、何度かの練習で、
「昨日の実習で体に疲労がとても出ています。
申し訳ないのですが、 できれば午前中のプログラムを休ませて頂きたいのですが、 よろしいでしょうか?」
という言葉にまとめることができていらっしゃいました。
セッションでは、グループで「要望を先に伝えて理由をいうか」「 理由を先に言って要望を伝えるか」で意見が分かれましたが、 Bさんの言われやすい方は、「理由を先に言って要望」 だということで、後者を選択されました。
SSTでは、このように、 今の自分に取り入れやすい方法をご自分で選択して頂きます。 また、先のように、 ご自分に馴染まないと感じるうちは無理に行わない、 という方法を取ります。
そして、 本日もBさんが短時間で変化をご認識して頂く補助として使った、 上の3つのステップを意識して頂くことも有用かと思います。
本日はステップバイステップという、 ポイントを段階的に意識して行うSSTを実施致しました。