参加者様に、もし褒められたらどのような気持ちになるかをお伺いしてみました。
「嬉しいと思うが照れ臭い」、「言われ方に関わらず、褒められたことだと思って素直に
受け取っておく」、そして、「どうせ社交辞令でのお世辞でしょ、と素直に受け取ること
が出来ない」というご意見に大きく分かれました。
確かに、本当に心から褒めている場合もあれば、少し皮肉が込められている褒め言葉もあ
ります。当初は心からの褒め言葉に応じる想定を考えていましたが、皆さんのご意見を受
け、練習の際は、「相手が本当に心から褒めている場合」と「相手がひがみなどを持って
皮肉的に褒めている場合」のうち、ご本人様により起こりやすい場面、あるいはより苦手
とする場面を練習場面として選んで頂きました。
SSTでは、行動の練習を行う時、次の構図を考えます。
出来事→→行動→→こうなりたいという結果
これに練習課題の一例をあてはめてみます。
相手から褒められる→→練習する行動(素直に褒め言葉を受け取る)→→今後も相手と
協力的に仕事ができる関係を作る
相手から褒められる→→練習する行動(素直に褒め言葉を受け取れないが何かいう事を考
える)→→相手が嫌な気持ちを回避できる
みなさんの練習では、ご自分なりの理想の関係を目指して言葉や非言語的な表現を考えら
れていました。
例えば、皮肉的に褒められた場合の練習では、意見交換の末、
「ありがとうございます。時間がないので、失礼致します」と丁寧に言ってその場を離れ
るという策を練習された方がいらっしゃいました。
相手にも嫌な思いをさせずに上手く聞き流せるようになりたいという理想をお持ちの方の
練習例ですが、練習に協力して頂いていた周りのグループの皆様にも「今の使える、参考
になる」とよいモデルにもなっていらっしゃいました。
素直に受け取れないと仰っていた方々は今回の練習はパスされたのでご紹介が難しいので
すが、また別の機会に是非チャレンジして頂けたらと考えています。素直に受け取れない
方の練習としては、「不快な気持ちを相手に伝えるスキル」なのか「お礼を伝えるスキル
」なのか、どのようなスキルの練習となるかはその方が相手とどのような関係を築きたい
かなどによって変わってくるかと思います。
少しずつ皆さんと色々な練習を行っていけたら良いと考えています。
上の3つの構図を図示すると参加者様にも分かり易いようなので、補助的に今後も使って
いきたいと思います。