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2019.12.30.(月)
» 誰にでもできる認知行動療法(TODAY吉祥寺)

写真⑥

今回から、スキーマを扱っていくワークに入りました。スキーマは CBT の中核的理論になり

ます。スキーマとは、「自動思考や思い込みを作り出しているもので自分自身に課している

ルール、あるいはこうだと信じている揺るぎない信念のこと。その人の根本にある思考の枠

組みとも言えます。

生育歴や生活史の中の経験から形作られたものです。その大部分は「てっきり、そうだ」と

思っているものなので、日常でほとんど意識されていません。

その中でも多くの心理的問題の根本原因となってるのが、人生の初期段階から形成されたも

ので、これらは早期不適応スキーマと呼ばれています。」

そして、スキーマは意識の底の底の領域に存在します。意識の底の底とは、私たちが意識で

きる領域としての認知を自動思考としてそのさらに奥に思い込みと言われる領域があり、そ

の思い込みの領域を生み出している背景としてさらにほとんど、意識されない=自身があった

り前と思っている領域がスキーマということになります。このスキーマは、自分について・

人について・世の中についてと大きく分けて3領域に分けて考えていきます。もちろんもっと

細かく、例えば友達について・会社組織について・家族について etc・・・といろいろな領域

が想定されます。

上記したように人生の初期段階でガッツリと形成されたものはその存在に気づきにくく、よ

り不適応な状態を引き起こしやすいのですが、そればかりでなく人生を送っていくうちにも

様々なスキーマを作っていきます。いわゆるつらい体験からくる、ネガティブな先入観です。

こちらのほうは前者よりは気づきやすいとも思われるのですが、日常の中で放置してしまう

と「決めつけ」を起こしてしまうことも多々あります。近々にできた先入観を扱うのでも、

早期に作ったスキーマを扱うことでもよいので、これらに気づくワークにこれから取り組ん

でいくことになります。

気づくことと、そうでないことの間には、結構な隔たりが生じてきます。この先のワークで

は、先入観を含むあらゆるものへの不適応なイメージを変えていくことに取り組んでいくの

ですが、「気づき」はそのスタートとなります。たとえ、イメージがうまく変化できなくて

も気づくことだけでも心の平静を保つことに役立ちます。できるだけ、多くの先入観に気づ

いていけるように取り組んでいただければと思います。

今回の講義は認知の構造についての説明を主にお伝えしました。次回からは本格的にワーク

に取り組んでいきます。皆さんよろしくお願いします。