今回は、認知の5領域についてと例文を用いて、分化していくワークを行いました。
5領域とは「私たちが問題を抱えるとき」1状況・環境・他者2認知3感情4身体反応5行動に分
けて問題の出どころを明確に自覚して、問題解決に取り組みやすくするための理論です。こ
の5領域はつながりがあるため、一つがいいほうに変化すると他の4つもいい方向に変化する
というものでアーロンベックが提唱したものです。
前回の「自分の物差しを知る」ためのワークで、皆さんは外界と接するとき、自分の価値観
や経験からくる印象などにいかに影響されているのか、いかに現実でないものを現実として
とらえているのかを体験されました。
このように分化が起こっていない状態で、問題解決を図ろうとすると、自分の認知のせいで
気分が悪くなっているのに、他者や環境のせいにして、人をコントロールして、自分の気分
を変えようとしたり、環境整備に躍起になったりしてしまいます。でも、他人は変えられま
せん。
外界をコントロールしようとすることがうまくいかないと、ますますストレスに覆われてい
くことになります。
本当に環境に問題があることも、ありますが環境の問題に取り組むにしても、自分の認知を
整えていくことは必要になります。この講義ではまず自分を整えるために認知からアプロー
チしていきます。
5領域の分化のワークでは、皆さん非常によく分けられていました。また、とても微細なとら
え方も見られ、自身の心とよく向き合っていいらっしゃる様子が伺えました。認知からのア
プローチのスタートとして、時間の終わりに、「認知のゆがみ」について触れていきまし
た。
次回はおさらいをして実際に自身の認知とのすり合わせに取り掛かっていく予定です。
皆さんよろしくお願いします。