TODAYでは、発達障がいの方向けに認知行動療法のカリキュラムを2パターン用意してお
ります。ベーシックとアドバンスの2つです。
1つのは通常の論理を学んで頂きながら自分の思考パターンを理解して頂き、自己理解・セル
フマネジメントを学ぶベーシックとなかなか想像力や思考から学ぶ事が難しい方へは行動療
法を主体として行動をして行きながら認知力を高めるカリキュラムをして頂くアドバンスの
2つを用意しています
今回から思考記録表 7 カラムに取り組んでいきます。6 カラムとに違いは認知のゆがみを探
す項目の代わりに、自分の考えの正当性を証明するもの=根拠と否定するもの=反証を見つけ
出し、6 カラムの時より更に現実に即した考えを導き出すことが狙いとなっています。
なのでこのワークでは根拠と反証はエピソード・実際会った事柄を状況だけ客観的に記入し
ていただくよう注意を促しました。
とかくこの欄には、エピソードとともに感想が添えられていたり、あるいは認知の続きのよ
うに延々考え・思い等々、頭の中の事柄が書き綴られていたりしがちです。
そして、そんな場合、実際会ったことを書いて下さいとお伝えしてもなかなか出来事と自分
を分けることが難しい様子が伺えます。今回もお一人お一人について、各項目の説明をしま
した。
分けて書くことは慣れてこないとややこしいことではありますが、分けれないゆえにストレ
スフルな状態に陥っていることを意識していただける様促していきます。
一方、早い方は、新しいストレスを軽減する考えに取り掛かっていらっしゃいました。
新しい考えは、もちろん気持ちが楽になる・中庸を捉えた・視野を広げた考えでいいのです
が、せっかく根拠と反証を書いていることがこの7 カラムのミソになるので、現実検討をし
てそこから導き出すようにお勧めしました。
よくあるのが対策を記入されている例です。対策は前向きなのですが、2 回目以降の方には
今ストレスをもたらした認知ごと持ち替えて頂くことを考えて頂いています。
それは、対策は前向きでとても良いことですが、対策の前にストレスが発生していることに
なり、CBT の目的と効果である将来のストレッサーへの強化にはつながらないことや、言い
訳じみていたり気持ちがあまり変わらないことも生じてくるからです。
更に困ったことは、新しい思考に他者への呪いを記入する方などいらっしゃり、それはその
瞬間はスキっとするのかもしれませんが、結局のところ喫煙と一緒で、ストレス物質の増加
を促進させるものだといわれています。
現実に即すことがとても難しくなっている私たちですが、ゆっくりと新しい認知を身に着け
ていきましょう。