今回は 7 カラムの続き、もしくは別のテーマでの思考記録表の記入に取り組みました。
また、各カラムの記入について、その意味や効果をお伝えしました。
まず 7 カラムで登場した、「根拠」と「反証」についての詳しい説明として、「根拠」は日
常の中からその自動思考が正しいと証明する客観的に出来事だけを探し出し、記入すること
が大切であること。
この客観的出来事を探し出せたなら、それはあなたのとらえ方、受け止め方である「自動思
考」が正しいという証明になること。
一方「反証」は日常の中からその自動思考が間違っていることの証明になる客観的な出来事
だけを探し出し、記入することが大切であること。などをお伝えしました。
人にはその人固有の認知があり、その認知は現実を反映していることもあれば、固有の認知
が先入観となって現実とは程遠い見解を示し、そのことをすっかり信じ込んでいることもあ
ります。
「根拠」を探すときにはこの先入観と事実を区別する作業が必要になります。そして見つけ
られた出来事があなたの認知が正しいと証明する「根拠」です。
同様に日常の出来事からあなたの認知と異なっていた出来事を探し出すのが「反証」です。
私たちには固有の認知からくる先入観があります。
ストレスがかかると先入観がフィルターとなって視界を遮ります。なるべく客観的に日常の
事実を捉え直し、「反証」を立てていきます。そしてこの反証は、次の項目の「適応的思
考」が信頼できるという証明になるものです。
「適応的思考」に証明を示す「反証」は事実であるので、「反証」がしっかり出されている
と、「適応的思考」は現実に則したあるいは合理的な認知として、用いることができます。
なので、適応的思考が見つかったならば、今度はその認知を使って日常を暮らしてみるとい
うことで、実績を積み上げて、いくトレーニングを数か月かけて行っていくことになりま
す。
CBT には実際の生活で活用していけるようになることが必要になるのですが、それと同時
に思考記録表のワークを通して、自分の認知を見直していくことだけでも、ストレスが軽減
することがあります。
実際、ワークシートの記入中に「書いているうちにストレスだったことが、どうってことな
いように思えてきた」という方もいらっしゃいました。良い効果が得られているようです。
受講していただいた方々には、これを機に認知を見直ことを習慣化していただきたいと、切
に願う今日この頃です。