今回も、前回に引き続き思考記録表の 6 カラム法に取り組んでいただきました。
前回で一通りを記入された方も多かったので、一度お一人づつチェックをさせて
いただきました。その中で気になったことをお伝えしました。
5適応的思考について
皆さんの傾向として『自動思考ありき』で『適応的思考』を考える方が多いです。
例えば、「1状況:人前で話すことになった時
2気分:焦り・緊張
3自動思考:またうまく話せなかったらどうしよう。
4認知のゆがみ:先読みの誤り
5適応的思考:誰かに代わってもらおう。人前で話す練習をしよう。」
このように、5で対策を練っている方が多くいらっしゃいました。
また、実際はそつなく話せていても、自覚がないように見受けられ、
現実検討がよくなされていないようでした。
一つにこの対策案のように『自動思考ありき』だと、どうしても自動思考自体がズーッと
思考パターンに居座り続けてしまいます。それでは自分の従来の『とらえ方』はそのまま
になってしまいます。『適応的思考』とは『非合理的・非現実的で不快な気分や不適応な
行動を呼び起こす自動思考』のかわりになる合理的・現実的な考え方のことです。そし
て、『合理的・現実的な考え方』を見つけ出すには現実検討が必要です。
本当にうまく話せてなかったでしょうか?一度もできていなかった?不都合を招く自動思考
は、往々にして『非現実的』なのです。
ですので適応的思考を考える、あるいは見つけ出すときには
1. 今までとは違う新しい考え方のこと
2.自動思考の歪みと現実を照らし合わせて、視野を広げた・中間的・現実的で緩い考え方
のこと
3.人や状況を変えることではなく、自分自身のとらえ方を変えること。
4.人や状況を批判したり、断罪したり、呪いをかけることではない。
以上のことに留意しましょうということをおつたえしました。
今回のもう一つのテーマとして、自身の自動思考=認知のゆがみのパターンを見つける
ために思考記録表をたくさん作りましょうとご提案しました。
目的はこの先に扱う
スキーマを見つけやすくするためですが、もう一方でパターンを見つけるという
論理的側面に対して、心理的側面として「繰り返し出てくるご自身の思考パターンに
『うんざり』してください。」とお伝えしました。中にはすでにうんざりされている
方もいらっしゃいましたが、そして、ご本人には少々つらいことかとお察ししますが、
『うんざり』することは認知を変えることの必要性を実感していただくことは、
強い動機付けになりますので。うんざりされていらっしゃる方々は、正しい道を進まれて
おられます。次回も引き続き 6 カラムに取り組んでいきます。