4月からVCAT-Jという、認知機能リハビリテーションを行っております。
VCAT-Jとは、必要な情報に注意を向けたり、物事を覚えて置いたり、覚えたことを
思い出してその通りに行ったりといった、脳の中で行われている働きにアプローチをする
リハビリテーションプログラムです。
このような脳の中での働きを、「認知機能」と呼びます。疾患などで不調になると、こう
した認知機能が低下していくと考えられています。
そこで、認知機能に焦点をあて、元から持っている機能を呼び起こしたり、維持したり、
得意な機能をよりよくしたり、といったことを目指しています。VCAT-Jでは、
皆さんの得意・不得意を発見するためのゲームソフトを週に2回、ゲームについて
振り返りを行う話し合いの時間として言語セッションを週に1回行っていきます。
各認知機能は就職先でも必要になってきます。
本日の言語セッションでは、ゲームで行うプロセスが、就職後にどのように活用されそう
かについて話し合っていきました。
・注意機能・・・業務指示を正確に聞く。データチェックなどの業務で違いを見分ける。
職場の人と話すためのタイミングを見計らう。
・処理速度・・・次に行う作業などを予測する。1つの作業から次の作業を行う切り替え
をする。判別する動作を早くする。仕事の準備を行う。
・言語性記憶・・・スケジュールを覚えておく(仕事の内容、任されている仕事の分担、
期限など)。業務指示を覚えて、作業中に思い出してその通りに行う。
・作業記憶・・・仕事の手順を考えて行う。
・流暢性・・・工場のライン業務などを滞りなく行う。書類作成をスムーズに行う。
電話応対の流れを覚えて対応する。
・遂行機能・・・優先順位を考える。計画を立てて実行する。
皆さんからはゲームを通してこのようなご意見が挙がりました。
ご自分の仕事(または生活)で得意そうなこと、苦手そうなことは上の中でありました
か?
得意な分野は少しずつ負荷をかけて伸ばしていき、苦手なことに対しては、どのようにす
れば補えるかを考えていきます。例えば、「メモを取って記憶しておく。」であるとか、
「分からなくなったら質問をしに先輩のもとへ足を運ぶ」などです。
現在TODAYで作業をされる方の中には、作業の進め方に困っても、職員に声をかけられ
ず、手がとまったままになっていらっしゃるかたもいます。こうした時に「今は情報に
注意を向けるときだから、忘れないようにメモをしよう」とか、「遂行に困ってしまって
いるな。自分では解決できなさそうなので、質問をしよう」などとご自分で方策に気づけ
るようになって頂ければ良いな、と考えています。
ゲームは全部で24回、言語セッションは全部で12回行います。ただ今7回目のゲームが
終わったところですので、徐々に皆さんがご自分の傾向や特徴に気が付いて頂けると
良いと思います。