今回の交流分析は「ラケット感情」をテーマにしています。ラケット感情という名前を聞いたことがあ
る方はいらっしゃいますか。これは少し複雑な感情様式で、私たちの理性を邪魔して、KY な行動に走
らせる頭の中に巣くうマフィアのような感情ともいわれています。
そして、私たちはいろいろな感情を日常で味わうのですが、その中に混ざりこんで、健康的で健全な感
情とは一線を画していながら、見分けがつかないものなのです。ただ、こんなお話を知ってそういう感
情があるんだと気づくことで、この頭の中のマフィアを遠ざけることができるのです。
今回の講座は、そんなラケット感情に気づきそれを追い払っていくことに取り組んでいきました。追い
払うにはまずは敵をよく知る必要があります。
敵の得意技
その1.
あなたの理性的行動や思考を妨げる。なぜならラケット感情を味わいなさい、それが最優先!と、
まくし立ててくるから。そして、あなたにまったく整合性の取れない行動をとらせるから。
その2.
自然に感じた感情なんかあっさりと捨てさせ、自己理解から遠ざける。なぜなら、代用の感情といわれ
るように、お母さんに否定されたあなたの自然な感情よりも、お母さんが認めてくれた偽りの感情のほ
うが価値があるよと言ってくるから。
その3.
ラケット感情を現わせば、他人をコントロールできるよとささやく。
なぜなら、かつて幼少期にこの感情を爆発させたら、周りのいい大人が自分の言いなりなったでしょっ
と言ってくるから。
その4.
健全な雰囲気やくつろぎの時間はくまなくイヤーな雰囲気に塗り替えていく。
なぜなら、それは慣れ親しんだ気分とはほど遠いから。
皆にもあなたの慣れ親しんだ空気を味合わせてあげなさいとけしかけてくるから。
その5.
当然のことのように、理不尽な要求や行動を取っていいよと許可をだす。
なぜなら、まるでポイントをため込むかのようにラッケト感情を味わうことを我慢させ、爆発の機会を
待ちわびているから。
そろそろポイントを理不尽な要求や行動に換金できますよ!と、お知らせしてくるから。
うーん・・・以上を読んでなかなか手ごわそうに思えたかもしれません。
もちろん一筋縄ではいかないこともあるでしょうが、ワークを通して自分に気づき、この不埒な感情を
手放していく過程には、沢山の自己発見があるように感じます。今回の参加者の方々もなるほどと言っ
た納得感が得られたようです。