本日のSSTでは「頼みごとをする」スキルについて練習を行いました。
職場では色々な形で誰かに頼みごとをするのではないかと思います。
とても素朴なもので言うと、ある方の目の前にあるものを取って欲しいと頼む、とか人で通
路がふさがっている場合に道を開けて通してほしいと頼むとかといった具合です。
さりげなさ過ぎてあまり考えずにスムーズに行える頼み事もあるかもしれませんが、意を
決して「よし」と思い立たないと難しい頼み事もあるのではないでしょうか。
あまり関係が築けていない職場の同僚に仕事の分担のことで何かを頼むとか、自分には難し
いと思った業務について、何度も説明を受けたがもう一度説明をして欲しいとと頼むなどが
イメージしやすいかと思います。
練習者さんから、本日はどのように伝えてよいか分からないことがあるというご意見があ
り、ロールプレイを行うことになりました。その状況とは、「TODAYのプログラム中にテ
ーブルを動かさなくてはならないものがあるとき、どのように周りに声をかけてよいか」
ということでした。SSTもテーブルを動かして椅子で円を作って行いますし、他の訓練で
もテーブルを動かすことがあります。その時に時間までにテーブルを動かして準備をする
ために、周囲の利用者さんにどう協力を仰いだらよいかが分からないとのことでした。
今回の練習者さんは、「社会人として自発的に動ける人になりたい」ということで、言わ
れるまでに準備をしておきたく、周りに働きかけられる人になりたいというご希望をお持
ちでした。その希望に近づくためにどのように伝えればよいかを練習されました。
今回はSST前の準備という想定で、「皆さん、あと少しでSSTなので、テーブルを動かす
のを手伝って頂けませんか?」というご発言でグループの皆さんから好印象を受けられて
いました。ご自分でいつも発言の内容が気になられていた方でしたので、皆さんから好印
象を受けられ、少し自信がつかれたようでした。
TODAYは発達障害の診断を受けられた方の割合が多い事業所です。特徴としてご自身で気
にしていらっしゃるような、自分の言っていることがいつも相手を驚かせてしまったり、
勘違いをされやすかったりする場合でもSSTでよりよい表現の方法を見つけて頂くと、周
りからの印象も少しずつ変わってくるかもしれないと思います。