講義も折り返し地点を迎え、利用者の皆様に認知行動療法の考え方への
理解が深まりつつあると、見受けられました。ただ、6適応的思考の根拠にもなる
5反証がしっかりと思い出せていて6適応的思考が書けていても、7気分レベルが
しっくりこないという方が多少いらしたこともあり、
今回は『認知』にではなく『感情』に
焦点を当てた補講の理論をお伝えしました。『ラケット感情』と呼ばれるもので、
とてもリスキーな感情のことです。どうリスキーかといいますと、
○自分が事前に感じた感情が表現されていないので自分の感情を見失う
○感情をあらわにすることで他者をコントロールしようとする
○忌憚ないご意見を交換し会えない。話をややこしくさせる
○積もりに積もらせ他感情で、当然の報酬のようにトラブルをおこす準備になる
など、非建設的で不健康な思考や行動に結びついて行くものなのです。
この感情を、自分の中から見つけ出し自分の日常から追い出す作業に取り組むこと
によって、合理的で現実的な思考ができるようになると言われています。
自分らしさを取り戻す足ががりになる取り組みです。そして、
この日常から追い出す作業の一つが認知行動療法になります。
今回は、『ラケットを見つけて手放す』ワークをやっていただきました。
このワークを通して、人のネガティブな感情には『真の目的』があり、それは結構見失って
しまいがちなものである、ということの理解につなげていただけたかと思います。
今後日常で、このワークのことを思い出し、不快な感情を味わう代わりに、
この『真の目的』に焦点をあてて言って欲しいと願っています。