今回も引き続き、ワークシート『下向き矢印法』を用いて、自身のスキーマを探すこと
に取り組みました。
進行状況に、ばらつきが見られるワークになります。早い方は『反証と新しいスキーマ
を考える』に取り組んでいらっしゃいましたが、一方で『下向き矢印法』のコツが
掴めず立ち往生の方もいらっしゃいましたので、ゆっくりと一人ひとりに付いて
一緒に考えていきました。
『下向き矢印法』はコツがわからないと、延々思考が横滑り(私ならではの捉え方です)
して、深まりません。これが第一段階の立ち往生です。この段階は、わかり始めると
つらつらと進む人が多いのです。ですが、この檀家の理解が得られても、なかなか
進まない方のハマりどころとしては『抵抗』があります。認めたくないのです。
日常の中でもスキーマの存在に薄っすらと気づいているからこそ、『そんなことは
思ってはダメだ、ダメだ!』とスキーマを押さえ込みながら過ごしていることも
あります。表面上は対人関係もうまく保てるのですが、知らず知らずのうちに
ストレスが溜まって、やがてコップの水があふれるように感情が堰をきるということにも
なりかねません。これは誰もが経験していることではないでしょうか。
このワークを通して、自分のスキーマに向き合っていく上で、抵抗するストレスをまず
減らしてほしいのです。『私は、こんな考えを持っています』と堂々とワークシートに
書くことで、自分の考えを認めてあげていただければと思うのです。
ストレスを引き起こすスキーマはズーッと前からその人の心の底にあって、その人と
一緒に育ってきたのです。ですから、その存在自体を否定することは、自分の一部を
否定することに繋がります。それが自己肯定感を下げる一端を担うことになります。
なので、あっさりと認めていただきたいのです。講義の中でもお伝えしたのですが、
認知行動療法のプロセスとして、『気づき⇒自己受容⇒セルフコントロール』を
あげました。堂々とワークシートに書くことや、あっさりと認めることが自己受容に
なります。
今回で講義は最終回となりますが、『 自己受容』の次の『セルフコントロール』が
まだ残っています。これは各々が実生活の中で、『新しいスキーマ』で暮らしてみて、
信頼と実績を積み上げていくことです。
ですので、引き続き皆さんの取り組みにはカウンセリングという形でサポートさせて
いただきます。また、今回の講義のあとで利用者さんたちから自主的に補講の時間を
設けていただきました。補講についてもご要望に応じていこうと思っています。
今回で講義は終了ですが、次回はこの 3 ヶ月間講義を受けてご自分の変化や気付きに
ついてに焦点をあててご自分をプレゼンして発表していただきます。
プレゼンの機会を持つことで、自身を振り返っていただければ幸いです。