SSTでは、グループセッションでコミュニケーションの練習を行っていきますが、その大きな目的と
して、SST以外の時(日々の暮らしの中、仕事の中)で練習したことが出来るようになっていただく
事があります。
普段の何気ない会話となると、言葉を発して会話が成り立っているとすると、あまりご不便を認識さ
れていないかもしれません。
ただ、「伝えればよい」「相手に自分の意向が分かればよい」というだけではコミュニケーションが
成立しない場合もあるかと思います。
伝えるだけ自分なりに伝えはしたけれど、相手にあまり好ましい印象を持って頂けていない場合や、
相手からの言葉に自分が感情的に反応してしまっているなというような場合などです。
こうした「伝え方」を考えると、上記の場合ですとどちらの場合も伝える相手との関係が良好になら
ないかもしれない事がイメージできると思います。「伝え方」には言葉により何を発言するかもあり
ますが、皆さんもご存知のとおり、言葉に見えない「非言語」で何を伝えるのか、何が伝わっている
のかもあります。
そうした「どのように伝えたらよいか」または「どのように相手からの言葉や態度に返せばよいか」
という練習をSSTでは行っていきます。
ですので、「言いたいことが言えている=コミュニケーションが上手に出来ている」ではないという
ことになるかもしれません。
そうした、「言葉だけで伝えられていればよいということではない」ということを、今日の練習では
みなさん体感して頂いたようです。今日は発する言葉だけではなく、いわゆる「非言語」でどういう
ことを伝えるのかというポイントを多く取り入れた練習が多く行われました。
相手とどのような関係を築いていきたいかや、どんな自分を目指したいかなどを考えたうえで、どの
ような言葉を発するかもそうですが、言葉では見えないところでの振る舞いがどのようにできるとよ
いかを模索していく事は、今後就職先で様々な方と接していかれる際にとても重要になるのではない
かと思います。
本日はたとえばこんなポイントに注意した練習を行いました。
・ 声のボリューム(どんな時にどのような方にどのような状況で伝える声かを考える)
・ 相手との物理的な距離(どのくらいの距離感を持って会話をするのが良さそうか)
・ 意思表示をうまく行うための目線(合わせる、反らすなど)
普段のこうした非言語で伝えている事が、相手にどのような印象を与えているか、無意識に自分がど
のような事を表していたかに気づいて頂くことがSSTの役割の1つだと考えています。
今後も皆さんと一緒に様々なポイントについて練習をしていきたいと思います。