今回は前回後半から取り組んでいただいている、自信のスキーマを探すワーク、下向き矢印法の続き
を記入していただきました。このワークは現在の自己イメージの中で、自分の行動に制限を齎してい
る、あるいは気分や感情に不快感を齎している、そして、行動として不適応な行動をとらせてしま
う、捉え方や価値観を見つけ出して、そのことに反する証拠を実際のエピソードから見つけ出して、
新しいスキーマを考えていくプロセスです。反する証拠を見つけるのは結構大変なことですが、ここ
がうまく見つけられたなら、この後の新しいスキーマに対しての確かな証拠となりうるものです。た
くさん見つけ出した方が、新しいスキーマはより堅剛なものとなります。
さて、この反する証拠を書き出してもらったあとに新しいかつ効果的なスキーマを考えていくのです
が、これは自分や他者や世の中に対する究極の結論をどう覆していくのかにかかっています。
そこで今回は新しいスキーマの探し方のヒントとして、『リフレーミング』をお伝えしました。『リ
フレーミング』とは、自分が持っている『思考や捉え方の枠=フレーム』によって出来事や思考から
【意味】が作り出される。
そのフレームを変化させることで【意味】を変化させることが出来る。意味付けが否定的な感情や
不適応な行動のもとになっている時に有効なツールです。
今回お伝えしたものは、「内容のリフレーミング」と「状況のリフレーミング」のアプローチです。
例文としては
〈上司は私に厳しく当たります。なので私は嫌われています。〉
これを分解して、
X:上司は私に厳しく当たります = Y:私は嫌われています。
☆X にリフレーミングをすると:
上司から何も言われないことは嫌われていると言えるでしょう。
☆Y にリフレーミングをすると:
上司が厳しく当たるのは成長してほしいと期待しているから。
という、内容のれフレーミング。
〈家族会議でついつい声を荒げてしまう私は短気すぎると思う〉
問題と思われる気質『短気すぎる』をそのまま残して、
例ア・家族が訪問販売のセールスに手をこまねいている状況では、速攻追い返すことが出来る。
例イ・ゲームをしていて相手が販促して時、タイミングよく抗議できる。
のように、『短気すぎる』気質が活かされる状況を考えてみるという、状況のリフレーミング。
このように、物事の捉え方を内容と状況を変えることによっていままで持っていた意味に変化が起き
ます。
嫌われているとは、上司から厳しく当たられることではなく、何も言われないことにある、だった
り、厳しく当たられることは、すなわち期待度の現れ、だったりに変化します。
また、短気すぎる気質は状況が変わると行動的・反応が早いなどよい結果を生む気質に変わっていき
ます。
今回、リフレーミングを扱うことで『新しいスキーマ』や、『適応敵思考』を見つける際に視野を広
げた探索が出来るようにとご紹介をしました。
これらを考慮することで、自分を制限する思考や感情から解放されることの手助けになればと思いま
す。
皆さん、講義に積極的に参加して頂きありがとうございました。