今回の CBT は前回お伝えした「認知の基本モデルの図」を説明してもらうことで、振り返り
をしました。
それぞれにご自分の言葉で説明されていて、イメージがつかめていらっしゃる様子でした。
この理論を使って、例題を 5 つの領域に分けるワークシートを記入してもらいました。ワー
クシートは初回と 2 回目以降の方様に分けて 2 種類ご用意させてもらいました。その後グ
ループシェアという形で、意見を交換し合い、グループごとの発表をしてもらいました。初
めてのグループは、外界と自分の内側を分ける作業に手間取っている様子が伺えました。明
らかな出来事に自分の認知、感想みたいなものがくっ付いてくる答えが多くみられました。
2 回目以上のグループでは、例題に時制を生じさせてあるため、さらに複雑な例題となって
います。
その時点での認知を扱うかを含めて図を埋めていくことが必要になるようにしてあります。
往々にして、このグループでは話し合いながら、上手くまとめて図を完成させていました
が、その工程で時間に差がある場合の認知の扱い方についての質問が出ました。
この場合、何が今の感情や行動に不具合を起こしているのかを考えて、どの認知にアプロー
チするかをチョイスすることが必要なことをお伝えしました。そして、今の認知に至るまで
の自分の思いや気分や行動は、今の状況を引き起こしているものとして、外界の出来事の欄
にひっくるめることを説明しました。
のちの6・7 カラムのワークで状況を設定するときに、毎回日常のピンポイントを抜き出すよ
うに促しているのですが、そうしないとどの出来事に対する認知で気分で行動であるかがご
ちゃ混ぜになってワークが進まないことがしばしばみられます。
今回のこの例題を通して、ピンポイントを抜き出すという経験を試みました。多少の混乱は
あったと思いますが、物事を順序立ててとらえることが意識できればと思います。このこと
に付随して、行動の設定が時間の流れを意識できない答えが多少なりとも見られました。行
動の枠にはストレッサーに出会ってからのレスポンスとしての行動を記入するということ
の理解が難しい方もいらっしゃったようで、行動と時制と出来事の関係を詳しく説明させて
いただきました。
また、認知と感情の関係は、お対こになっているので、認知を変えても気分が変わらないこ
とがあることもお伝えしました。
その場合は別の認知を探す必要があることもお伝えしました。
本日のワークを終えて、2 回目以降の方の中には、CBT や心の構造について「深い~」と遠い
目をして感想を漏らしている方もらっしゃいました。
初めての方々も含め、より理解が深まるように、わかりやすく丁寧に説明をしていこうと、
改めて思いました。
ここが時間のかけどころなのではと思っています。