今回から、思考記録表 6 カラムに取り組んでいきます。
3 回目 2 回目の方がほとんどとのこともあり、一人一人のカラム票をグループで考えていくとい
う試みをしました。グループワークはご自分の思考や感情をグループの中で発表して、グループ
で個人の認知のゆがみを考えていくということなので、その点を説明させていただいたうえで皆
さんの承諾を得て実施いたしました。
まずはお一人のカラム票を発表していただき、『自動思考』をより皆さんがわかりやすくするた
めに、こちらから何点かお伺いをさせて頂きました。それから、皆さんのご意見を発表していた
だこくことにしましたが、はじめは、認知のゆがみを探さなければというプレッシャーやら、対
象者に対する遠慮などのせいか意見が出づらい雰囲気でしたので、『今のお話を聴いた感想でい
いので、発表してください。自分だったらというお話で構いません。グループワークの目的と効
果に自分の枠以外を知り、視野を広げることができるということがあります。』とお伝えしまし
たところ、一人二人とその方ならではのご意見が語られて、ワークの対象者が 2 人目になるころ
には、いろんな意見が活発に飛び交うようになっていました。
扱われた内容は自身の性格についてや、子育ての悩み、夫婦関係など様々でしたが、皆さん一様
に我が事のように取り組んでいらっしゃいました。夫婦関係など、私自身も身に覚えのあること
であり、冷静にファシリテイトできなくなり自身の認知のゆがみを探し発表するというシーンも
ありました。その発表を聴いた方が、さらにご自分のスキーマにまで洞察を深めていくという展
開に至りました。そして発表のところどころで笑い声が起き、真剣だけれど深刻にならないとい
う、とても良い環境が作り出されたと感じました。これもひとえに、皆さんの寛容で受容的でま
じめな性質のおかげだと思いました。このような環境は整う時とそうでないときがあり、やはり
メンバーが長くともに過ごしてきた人たち同士のなせる業なのではと感じます。
最後に感想をお尋ねしました。「人の話を聴くことで自分の認知への理解が深まった。」「自分
のパターンが固有であることに気づいた」「性格を変えたいと思ったが、帰れる気がしない」な
ど色々なことを深いところで感じていらっしゃる様子が伺えました。私としましては、勇気を出
してグループワークにトライしてよかったと思います。皆さんのおかげで今回のセッションはと
てもいい感じなものになり、成功体験からの学びをさせて頂いたことに感謝いたします。
今回は一人ずつの4認知のゆがみについてを扱いました。次回は適応的思考につい
てグループ内で話し合っていく予定です。