今回は「下向き矢印法」の続きとして「スキーマの反証」と「新しいスキーマ」の記入に
取り組んでいただきました。
全体的な傾向として、反証が以前よりも断然沢山そして早く出せるようになってきた様子
が伺えました。反証はエピソードを思い出すことで立証していくものなので、忘れていた
記憶の森を揺さぶり起こす作用があります。脳の活性化につながるとも言われています。
さて、具体的にはスキーマの 3 領域についてそれぞれを扱っていくのですが、ここの区
別がうまくいかない方が多い傾向が見受けられました。
3 領域には「自己のスキーマ」「他者へのスキーマ」「世界へのスキーマ」があります。
『○○は絶対こうだ!』という信念ともモットーとも究極の結論とも言い表される強固な
先入観のようなものです。人はそれぞれのスキーマから物事をとらえ、このスキーマに
よって考えを巡らし、このスキーマを踏まえて始めの一言を発します。
ですがスキーマ事態にほとんど気づいていません。そして各3領域はこのスキーマにより
とらえられ語られていきます。
例えば「自分って何やってもイマイチ⤵」とか「他人ってほ~んと身勝手 」と ⚡か
「この世は無法地帯だ~!」という風に。
ですが、3 領域がうまく分けられていない方の傾向として、「他者について」が他人が
自分をどう思うかということと勘違いされているパターンが多かったようです。
「他者について」は自分は「自分以外の人・人間って」のことを究極どう思っているのか
を探っていくことをお勧めしました。
また、もう一つのパターンとして、「他者」と「世界」が混ざって出てくるパターンで
す。
これはどちらも自分以外ですがどちらかに焦点が当たりすぎているのではと考えられるの
で、視点の切り替えをご提案しました。
そして、新しいスキーマも考えていただきましたが、ポイントは「現実検討」になってき
ます。認知療法は論理療法から派生しているものなので、このワークを通して、常に
「この考えは理論的なのか・現実的なのか」について検討する思考の癖を身に着けていた
だければと思っています。
ご利用者様方には、常にワークに真剣に取り組んでいただいています。その姿が大変励み
になっています。
大変な作業があと少し続きますが、頑張っていきましょう。