今回で、ターン 2 の最終回になりました。予定より 1 限分早く終わった感じです。
(1 限 50 分で 2 限を一回としています)なぜなら 2 回目受講の方々が多数いらっしゃり、
加えて今回は 6 カラム・7 カラムをみっちりとそろそろ飽きたかなという様子が見受けら
れるまで、数をこなしていただきました。カラム法も数を重ねた時点で、なるべく
自動思考や思い込みやスキーマにまで落としてから、根拠や反証を出してもらっていま
した。
そして、思い込みやスキーマを適応的思考に替えていただく練習を重ねて頂いていました。
そのワークのさなかは、あっちこっちからうなり声(思考の渦に溺れる言葉にならない
声・・音?)がかすかに漏れ、皆さん生みの苦しみを味わっていらっしゃるご様子でした。
その甲斐あってか、今回のスキーマ探しは思いのほか短時間でワークが仕上がった方が
多くいらっしゃいました。
ただ、ご本人にしてみればおそらく 6 カラムや 7 カラムの時と同じように生みの苦しみ
だったかもしれませんが。人は兎角自分の変化には気づきにくいものなのです。
でも、小さくてもその変化を感じ取ることができるかどうかが、いろんなモチベーション
に影響してくるものです。小さな変化でも見逃さないように意識付けできれば、
その変化になるべく気づいていただければと、今回は「講義終了後ワーク」をご提案しま
した。
ワークは「新しいスキーマ」で生きてみてそのスキーマが正しいことの証明になる体験を
専用のワークシートに記入してもらうものです。期間を 3か月で一区切りにして、1 か月
ごとの記録をつけていくというものです。
このワークの狙いは、変化を意識するということに加えて、新しいスキーマを生活に定着
させていく事にもあります。
新しいスキーマの定着には時間がかかります。最初は今までの非合理的なスキーマに支配
されることもよくあります。なかなか新しいスキーマに替えれない時期がしばらく続きこ
とも想定内です。そんなこんなの時期を乗り越えて、非合理的なスキーマに気づき、新し
いスキーマに持ち替えることができるようになる。そしてそのプロセスにおいて、今まで
とは違った生き方が体験できる。そんな変化に気づくための3ヶ月間を記録するワーク
シートをご用意しました。またこのワークシートを通じて、今回考えた新しいスキーマが
適切か、使えるものなのかも査定できます。
CBT は心理療法の中でもより解決指向の傾向が強い療法だと言われています。
なので今回のワークは少し目的からずれるかもしれませんが、非合理的な考えを適応的思
考に持ち替えることを目的とするよりも、持ち替えるまでのプロセスの脳みそがシャッフ
ルされる体験を止めないことに重きを置いてご提案したものです。
「より合理的・現実的で中庸な思考とは」についてしばし思いを巡らしていただく
機会になれば幸いです。