本日のSSTでは次の練習を行いました。
・話を簡潔にまとめる
・業務説明が分からなかったときに分からないと伝える
初めの話を簡潔にまとめる練習は、主に面接場面で役に立つと思います。
限られた時間の中で、必要な情報のやり取りをしていく面接の場に向かっていくには、普段の会話と
は別の会話の方法を学ぶ必要が出てきます。
TODAYの中でどんなに会話が上手な方や流暢に話が進む方でも、就職活動の段階に入られた利用者
様には面接のための会話を練習して頂きます。
面接官の質問の意味をくみ取って相手が必要とする情報をお話しすることや、どこでどのような
エピソードを伝えるのかなど、話す内容も事前に考えておく必要があるため、それなりに時間をかけ
て何度も練習を行い、慣れていくことが大切です。
そのような会話が求められる中では、話の内容を簡潔にまとめるスキルは効果的だと考えています。
また、2番目の業務説明が分からなかったときに分からないと伝えるスキルについては、練習者さん
はこれまで業務説明の数か所で分からなかった場合でも、「分かりました、質問があればお伺いに
参ります」といって何度も質問をしながら仕事を進められていたそうです。
業務説明をしてくださる相手とも、よい関係を築きながら仕事をされていきたいという希望がある中
で、上記の他にどのように伝える方法があるでしょうか。
グループで意見を出し合った結果、練習者さんは説明を受けた後に、「メモを取らせて頂きたいの
で、もう少しゆっくり説明して頂いてもよろしいでしょうか。」と伝えられる方法を選ばれました。
このことによって、直接的に「分かりませんでした」と伝えられるわけではなくても、相手が「今の
では分からなかったかな」「今の説明では伝わらなかったのかな」「覚えられなかったのかな」など
と考える可能性が高くなるのではないでしょうか。
練習では物腰も柔らかく話されており、全員嫌な印象を受けないというご意見でした。
また、相手の説明を遮って途中で声をかけるか、相手の説明が終わるのを最後まで待ってから上記の
ことを伝えられるかでグループ内で意見が分かれました。こうした話すタイミングを考えて話をする
ことも大切ですね。これは、どちらが正解というわけではなく、説明してくださる相手の性格や、
自分の性格などもあると思いますが、会話を遮るにしろ、最後に伝えるにしろ、伝えるときに
工夫することが必要だと思います。
今回の練習者さんは、相手の説明を最後まで聞いてから伝えるという選択をされました。
この方にとっては相手の話を遮ることに大きな違和感を感じられ、人の話は最後まで聞かないと本当
に何を言いたいのかが分からない時があるから、というのが理由でした。
このように、練習者さんにとってより好ましい行動の選択を個々に考えていけることもSSTの魅力の1
つかと思います。