今回は、前回の振り返りのゲームをやる4つの理由の 2.構えへの欲求から見ていきました。
皆さんご自分の最初の構えについて思いを巡らせていらっしゃいました。
4 つのポジションは誰もが一日を通して、日々状態に即して各構えを行ったり来たりするも
のでもあります。
例えば、『会社で重要な書類を取引先に届けるように上司から言われ、電車で移動中にその
書類を車内に置き忘れたことに気づきます。置き忘れに気づいた瞬間は自分自身を責めた
り、誰も見つけてくれずもう戻ってこないかもと世間を恨んだり、絶望感にさいなまれるか
もしれません。
あるいはそんな大事な書類ならなぜ自分でもっていかないのかと、理不尽に上司を責める気
持ちになるかもしれません。そのうち自信の不注意を嘆き上司に悪いことをしたと自責の念
に駆られるかもしれません。そんなこんなで、嘆いていても仕方がないと、気持ちを持ち直
し大丈夫!誰かが駅員さんに届けてくれてるはず!問合わせてみようと、行動に移していく。』
この様に一つのエピソードにおいても自己否定他者否定から自己肯定他者肯定へとポジショ
ンが変化していくことも考えられます。
そして、最初のストレスがかかった時にどのポジションからスタートするのかで、自身の
『基本の構え』がわかります。この構えは幼少期に身に着けた、自身が安全で安心できるポ
ジションなのです。
人はこのポジションを確認するためにゲームをします。
続いて、今回扱ったゲームをする理由は3.構造化への欲求と 4.ラケット感情でした。
構造化は、大事な大事なストロークを得るために時間を有効に使いたいという欲求が人には
あるという TA の基本理論に基づき、「一人っきりで外界の刺激を遮断する方法から親密で
濃い交流を持つという方法までの 6 種類の方法」のいずれかを使って一日の時間を構造化(時
間割)しているというものです。ご自身の構造化を知ってもらうために、一日の過ごし方を各
方法別に分類してもらうワークをしました。皆さんそれぞれにご自身のストロークを得るパ
ターンを見つけていらっしゃいました。そして、この構造化の方法の中にはゲームが含まれ
ていて、肯定的ストロークが得られないときに否定的ストロークで埋めようとするとゲーム
なります。なので構造化自体は問題ないのですが方法としてゲームが使われるととても TA
の目的である「親交の回復」からは程遠いものになってしまうというわけです。
そして、今回の最後にご紹介したのが、ラケット感情についてです。お時間の関係でほんの
さわりだけのご紹介になりました。次回はさらに詳しく、そしてラケット感情と見つけ手放
すワークに取り組んでいきます。
皆さんと一緒に目の前にかかった霧を少しでも晴らしていけたらと望みます。