今回は、思考記録表の 6 カラム法に取り組んでいただきました。
今回が初回の人もいらっしゃることから、講師がお一人お一人、一項目ずつ添削をさせて
いただきました。6 カラムのポイントはやはり『認知のゆがみ』を見つけ出すことになり
ます。なので皆さんからの質問も自身の自動思考がどのゆがみに相当するのかについて
が、多く寄せられました。が、それ以前に、2気分3自動思考が1状況に混ざっていること
が多く見受けられました。
CBT では、「ストレスが発生したとき問題の発生源を 5 つの領域に分ける」ことが最初
の作業になります。認知のゆがみの発見とともにちょっとむつかしくとても大事な作業で
す。受講が 2 回目という方でも、引っかかるポイントでしょう。今回は、このようなポ
イントに注意するようお伝えしながら、次回にできていないところを個々に繰り返し訓練
していくという進行を考えています。TODAY に在所中に少しでも多くの正確なものを身
に着けていっていただきたいというのが講師の願いです。
また、受講 2 回目の方々にみられる傾向として、「解決指向」の勘違いです。
何人かの方から1状況について、「もう解決したことだからいいのですが、ワークを続け
たほうがいいでしょうか?」という趣旨の質問がありました。本当に解決したのでしょう
か?
CBT でいう解決とは「自身の認知を生きづらいものから、生きやすいものに変容させ、
あるいは不適応な行動を適応的行動に直していく」ことです。決して、「自身にとって不
都合な状況や環境が時間の流れに押し流されて、気分がよくなる」ことを言っているわけ
ではありません。問題は残ったままその問題を感じなくてもいい状況になっただけで、似
たような出来事は、この先の人生でいくらでも起こってきます。今の自分に向き合わなけ
れば。
あなたが向き合わなかった問題はいづれ運命として出会うことになる。
カール・グスタフ・ユング
そして、たくさんの記録表を書くことで、自身のパターンを見つけることになります。
そのためにももう気分がよくなった出来事に対する認知にも目を向けていってほしいと思
うのです。それは今後の講義で扱うことスキーマという認知の中核を見つけるためにとて
も役に立つからです。
以上のことを、再再度お伝えして、新たな認識のもとワークに取り組んでいただけるよう
環境を整えていこうと思います。